「会社のみんなには本当にお世話になったし、いい人ばかり。でも、この給料じゃ将来が描けない……」。そうやって、居心地の良さを理由に自分の市場価値を犠牲にしていませんか?それはエンジニアとしての「緩やかな自殺」かもしれません。
この記事を読めば、なぜ「いい会社」なのに辞める必要があるのかという葛藤への答えが見つかり、人間関係を壊さずに自分の人生を最優先するためのマナーと決断の仕方がわかります。
「いい人」であることと「適正な待遇」は無関係である
あなたが「いい人ばかり」と感じるのは、その会社が人間性を重視している素晴らしい証拠です。しかし、会社の優しさがあなたのエンジニアとしてのスキルや年収を保証してくれるわけではありません。
むしろ、SES業界においては「いい人」を揃えることで、低い給与や悪い案件環境への不満を抑え込もうとする**「やりがい搾取」ならぬ「優しさ搾取」**が起こりやすいです。人間関係がいいからと安月給に耐え続けることは、結果としてその会社の「古い構造」を肯定し続けることになってしまいます。
会社の「性格の良さ」で、あなたの「将来の生活」は買えません。
エンジニアとしての「寿命」を直視する
エンジニアが最も成長し、市場価値を上げられる期間は限られています。
20代から30代前半の貴重な数年間を、スキルアップが望めない現場で「でも会社の人たちはいい人だから……」と過ごしてしまう。その間に、外の世界では同世代がモダンな技術を習得し、年収を2倍に伸ばしているとしたら。あなたが10年後に「あの時、情に流されなければよかった」と後悔しても、会社はあなたの人生の責任を取ってくれません。
「今」という資産を、人間関係の維持のためだけに浪費してはいけません。
「裏切り」ではなく「卒業」と捉える
辞めることを「みんなへの裏切り」だと感じてしまうのは、あなたが誠実な人だからです。
しかし、本当にあなたのことを思ってくれる「いい人」たちであれば、あなたがより良い条件や挑戦を選ぼうとすることを、心から応援してくれるはずです。もし退職を伝えて態度が急変したり、「恩を仇で返すのか」と責めてきたりするなら、それは最初から「いい人」を装っていただけの「搾取者」に過ぎません。
「卒業」を喜んでくれない場所は、最初から「良い場所」ではありませんでした。
まとめ:自分の人生の「主導権」を誰に渡すか
人間関係を大切にすることと、自分のキャリアを追求することは、決して両立不可能なことではありません。
- 「人の良さ」と「会社の仕組みの不備」を明確に切り離して考える
- エンジニアとしての成長限界を感じたら、それは感謝を持って去るべき時
「今の環境を捨てるのが怖い」と感じるなら、まずは外の世界を覗いてみてください。人間関係が良好で、かつ給料も高く、スキルアップもできる。そんな場所は、世の中にたくさん存在します。
NEXT「いい会社」を卒業して次のステージへ進む飲みの席での笑顔が、一番辛かった
「佐藤くん、次は絶対リーダーね!」と笑う上司。 その隣で、自分は「でも年収は320万なんですよね」と心の中で毒づいていた。みんな本当にいい人で、悩みも聞いてくれる。でも、この給料じゃ結婚もできないし、親に仕送りもできない。そのギャップが、日を追うごとに胸を締め付けてきた。
転機は、実家に帰った時に母親から「無理しなくていいよ」と言われたこと。あ、俺、無理してたんだな。いい人たちを裏切りたくなくて、自分を裏切ってたんだ。そう気づいた瞬間に、謎の涙が出てきた。
結局、自立。 エージェントに相談して、退職を伝えた。上司は寂しそうだったけど、「君ならどこでもやれるよ」と背中を押してくれた。あの時決断して、本当によかった。今でもたまに前の同僚と飲むけど、今の自分の方がずっと好きだと言える。