「給料が安いのは自分のスキル不足だと思っていたけれど、実は会社に抜かれすぎているだけではないか?」
そんな疑念を抱いたことはありませんか。特に「還元率60%」という数字。一見すると半分以上もらえているように見えますが、実はエンジニア業界の相場から見ると、あなたは相当な損をしている可能性があります。
この記事を読めば、SES業界における還元率の本当の相場と、「還元率60%」の会社に居続けることがどれほどあなたの資産形成を阻害しているのか、その冷酷な計算結果がわかります。
SES業界の還元率相場:60%は「搾取」の境界線
結論から言うと、現在のSES市場において 「還元率60%」はかなり低い部類 に入ります。
一般的なSES企業の還元率は 65%〜75%程度 が相場です。最近増えている「高還元SES」と呼ばれる企業では、 80%〜90% を実現しているケースも珍しくありません。
- 高還元SES: 80%以上(待機リスクを本人が負う場合も)
- 標準的なSES: 65%〜75%(福利厚生や教育体制が整っている)
- 低還元SES: 60%以下(営業利益や固定費が重く、エンジニアへの還元が後回し)
還元率60%と80%では、月単価80万円の場合、年収で約200万円近い差が開きます。
なぜ還元率が低い会社は「単価」を隠したがるのか
あなたが自分の単価を知らされていないなら、それは会社が 「還元率の低さを隠したいから」 に他なりません。
会社側は「営業経費や社会保険料がかかるから、60%でもギリギリだ」と主張するでしょう。しかし、社会保険料の会社負担分を含めても、営業利益を10%〜15%程度に抑えれば、還元率は自然と70%を超えます。
60%しか還元されないということは、残りの40%が 「過剰な本社経費」「働かない管理職の給料」「多重下請け構造の中抜き」 に消えている可能性が極めて高いのです。
単価を非公開にしている時点で、その会社はあなたと対等なビジネスパートナーではありません。
10年で2,000万円の差?低還元環境に居続けるリスク
「たかが10%や20%の差」と侮ってはいけません。エンジニアとしての現役期間を考えると、この差は致命的になります。
年収のシミュレーション(月単価70万円の場合)
- 還元率60%: 年収 504万円
- 還元率80%: 年収 672万円
- その差: 年間 168万円
これを10年続けるだけで、 1,680万円もの大金が、あなたの通帳ではなく会社の利益として消えていきます 。このお金があれば、老後の備えや投資、住宅ローンの返済がどれほど進んだかを想像してみてください。
「還元率が低い」とは、あなたの人生の貴重な時間を、会社に無償提供しているのと同じです。
まとめ:あなたの価値を数値で正しく評価する環境へ
「還元率60%」という数字に違和感を覚えたのは、エンジニアとしての生存本能です。
- 業界標準は70%前後。60%は「かなり低い」と自覚すべき
- 単価が非公開の会社は、搾取構造を隠しているリスクが高い
- 還元率の差は、数年で数百万円単位の資産の差になって現れる
もしあなたが「自分の正当な市場価値を受け取りたい」と願うなら、まずは高還元を明言している企業がどれくらいの条件を出しているか、リサーチすることから始めてください。
NEXT還元率80%以上の求人をチェックする共有フォルダの「数字」に指先が凍った日
自分の人生が、ただの「中抜きされる数字」だと気づいた瞬間の吐き気。 共有フォルダの奥深く、誤って権限が開いていた請求書一覧。そこに並ぶ「自分の名前」の横には、月85万円という数字。自分の手取りは20万。差額の65万が、会ったこともない本社の誰かの飲み代や、見栄えのいいオフィス代に消えている事実に、指先から血の気が引いた。
「研修代や社会保険があるから、利益なんて出ないんだ」と営業が笑っていた顔がフラッシュバックして、喉の奥が熱くなった。僕が現場で客先にペコペコ頭を下げて稼いだ金で、彼らは新車を買い、僕はコンビニの半額弁当を漁っている。その歪な構図が、一度見えてしまったらもう元には戻れなかった。
結局、自分を守れるのは自分だけ。 プロに本当の相場を聞きにいったら、自分のスキルでも年収が200万上がるのが「異常ではなく当たり前」だと知った。あの時、あの数字を見ていなかったら、今も僕は「会社を支えるエース」という都合のいい看板に酔わされていたと思う。